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ガレリアアッカ
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2014年1月

 
  ●1月18日(土)〜1月25日(土)      
  安木洋平 絵画展      
 

柔らかな色彩の、角がとれた様々な四角が、時に寄り合い、時に浮遊する、抽象の画面。でも、「モチーフは主に人物なのだ」と安木さんはいう。

作家が見ているのは、人物の形ではないらしい。人物が存在するその有り様、周りの空間の中での佇まいだろうか。人の姿、思い、心、空気などが、周囲の空間に流れ込んで、新たな形となっていくのかもしれない。「制約された四角い画面の中に流れ続け、生き続ける空間と形を求めて描いている」とも語る。

そうして描かれた画面は、静かで穏やかなのに、いきいきと存在するものを感じさせる。そんな作品に、ぜひ出会っていただきたい。

  yasuki
2014年2月

 
  ●2月1日(土)〜2月8日(土)      
  井上枝利奈+硝子企画舎のしごと    
 

あえて曇りを施した淡い光、ほのかな色。繊細なガラス作品で定評のある、井上枝利奈さん。今回のテーマは、たくさんの色を用いた、「こころおどるうつわ」である。

色とりどりながら、品よく、シックな色合い、組み合わせ、マットな質感は、井上さんならではのもの。おしゃれで、こころ魅かれる器だ。花瓶のように見える掛け花入れは、花と一体となって、心地よく楽しい空間を作ってくれるはず。

運営している硝子企画舎のプロダクト、「gp」と名付けたトレイや、アルファベットのオブジェも紹介。作家の活動の広がりも楽しめる展示である。

  inoue_3
  ●2月15日(土)〜2月22日(土)      
  小林亜弥香 染織アクセサリー展      
 

染色の小林亜弥香さん、アッカ初の個展。シルクオーガンジーに友禅染を施した、独自のアクセサリーを制作している。「植物や蜻蛉の羽などを、薄い布で表現しており、風をはらんで軽やかなつけ心地です。」と、小林さん。

伝統的な和の色彩、繊細なグラデーション、細やかな文様。そして立体的な造形。小さなパーツでさえ、薄い布の二枚合せの中に、空気をはらんでいる。身にまとえば、オリジナルな装いになること請け合いの作品である。

春先にふさわしく、芽吹く生命を感じられるようなアクセサリーや、羽衣のようなシルクのストールを展示。春の訪れを心待ちにするような、楽しく美しい作品が並ぶ。

  kobayashi
2014年3月

 
  ●3月8日(土)〜3月15日(土)      
  中村敏康 切子展      
 

富山で制作するガラス作家、中村敏康さんの切子は伝統的文様とは一線を画するデザインが魅力的だ。モダンで明るい。ガラスに刻まれた、草、木、花、波などの自然のモチーフが、軽やかに光を帯びて連なる。幾何学的連続文様に違いないのだが、風が通り抜けているような爽やかさが、そこにはある。

「草花や自然の風景などと、それと相反する人工物。その両方に惹かれながら、ガラスをカットする事で表現される線を、いつも意識している」と、語ってくれる。世代を問わない新しい切子の魅力、楽しみである。

  nakamura
  ●3月22日(土)〜3月29日(土)      
  杉原万理江 陶磁展      
 

清々しい朝の光に包まれて、今開いた可憐な花を思わせるフォルム。ピンクやブルーの淡く上品な色合いとマッチした印象的な小鉢。金沢で制作する陶芸家、杉原万里江さん、ACCa初登場である。

吸い寄せられるように目を近づけると、器の表面がキラキラ輝いている。杉原さん独自の釉薬の中の結晶が光り、複雑な表情を見せるのだという。「-hikari-シリーズ」と名づけられた器たち。「日々の食卓に、柔らかな色彩と形で、華やかさをプラスする器を目指している」と、作家は語る。これぞという一品に出会えるはずだ。

  sugihara
2014年4月

 
  ●4月12日(土)〜4月19日(土)      
  坂井千尋 陶展      
 

モノクロの動物柄の器でおなじみの坂井千尋さん。「モチーフは身近に感じる動物たち」、と語るが、登場するのは、犬、猫、ニワトリなどに限らない。オオカミ、コウモリ、ハリネズミにペンギンなども、見る人と対等に、そこに存在している。無関心な顔をしながら、こちらに興味が無いわけではないとでも言いたそうな表情で。媚びない風情が実に魅力的なのだ。

器の形も使いやすい。モノクロだからこそ、どんな色にでも合う。使い手に委ねる作家の姿勢は、動物たちの自立した表情と、共通するのかもしれない。動物の種類もさらに増え、新しい釉薬も加わるという。いちだんと楽しみである。

  sakaichihiro
2014年5月

 
  ●5月10日(土)〜5月17日(土)      
  西山 雪 ガラス展      
 

早春の光の雪の白に、芽吹いたばかりのうす緑。そんな光景を思わせる、西山雪さんの作品。春の訪れの喜びに、光がキラキラと舞うように、西山さんのガラスも、明るくさわやかに並んでいる。北海道で制作する作家ならでは、かもしれない。

ガラスと一緒に遊びながらと作家はいうが、確かな技術の吹きガラスによる造形は、スマートながら、どこか大らかなのも印象的だ。「明るく、日常に寄り添うものづくりを目指している」と語っている。清新なガラスにぜひ出会っていただきたい。

  nishiyama
  ●5月24日(土)〜5月31日(土)      
  森 和彦 陶展      
 

名古屋で制作する陶芸作家、森和彦さん。ACCa初登場である。焼き締め、粉引き、灰釉などで土の風合を生かし、装飾を排した無駄のない作品は、瑞々しい魅力にあふれている。

シャープなラインと、手になじむやわらかさを併せ持つフォルム。洗練と土のぬくもりの共存。現代の食卓と野の自然をつなぐような佇まいは、自然に向き合う時の自身の姿勢の反映かもしれない。ふと手にとってみたいと思わせる作品に出会えるはずだ。

  mori
2014年6月

 
  ●6月7日(土)〜6月14日(土)      
  木村晴美 イラストレーション展 -Fly-      
 

楽しいイラストでお馴染みの、木村晴美さん。今回のテーマは "Fly"。「何かジリジリと心がわき立つとき。うれしいときも、かなしいときも、前を向いていられたらいい。翼がはえたように、自由で、かろやかに。そんな気持ちで制作している。」と語る。

日の光をたっぷり浴びて、深呼吸する大地のような色あい。木は自在に枝を廻らし、蔓はぐんぐん伸びていく。おおらかな躰に、丸い眼の不思議な生きものたち。とぼけた仕草と眼差しの奥には、さりげない優しさが覗いている。見ていると、ほっこりと温かくなるようだ。間近に見ると、いっそう楽しくなるはず。ぜひ出会っていただきたい。

  kimura
  ●6月21日(土)〜6月28日(土)      
  大渕由香利 陶磁展      
 

様々な色合いの、グラデーションに彩られた器が印象的な、大渕由香利さん。ACCa初の展示である。カラフルでいて、どこかしっとりとした色彩は、釉薬の研究に熱心な大渕さんならではのものだ。造形もしっかりとした技術に裏打ちされ、掌にやさしく使いやすい。

「移ろいゆくものに、魅力を感じます。移ろうなかの一瞬だからこそ、より美しいと感じるのだと思います。」と、語っている。まさにこの季節の紫陽花や、野の花を思わせるのは、そのせいかもしれない。身近に置いておきたい器に、きっと出会えるはずだ。

  obuchi
2014年7月

 
  ●7月5日(土)〜7月12日(土)      
  シモヤユミコ 陶展      
 

掌で包んでみたいと感じさせる優しいフォルム。施された鎬や面取りも潔い。シンプルなのに、各々に違った表情を見せる器たち。ひと目で使いたくなる作品を制作する、シモヤユミコさん。ACCa初登場である。

白の単色のようでいて、窯の温度、かかり具合、焼き加減によって、黄味を帯びたり、薄むらさきやグレーに見えたりと、様々なグラデーションのつく釉薬が特徴だと、語る。今回は、新たにカフェオレ色も、ラインナップに加わるという。

ぜひ、実際に手にとってみてほしい。そのしっとりしたさわり心地、表情に、きっと手元に置いて使ってみたくなるはずだ。

  shimoya
  ●7月19日(土)〜7月26日(土)      
  小野田康子 染付展      
 

染付の作家、小野田康子さん、6回目の展示。古典柄に学びつつ、のびやかで、時にユーモアまで湛える画風。藍のひと色が描き出す世界の多様さ、豊かさに魅せられてしまう。そんな器を、お待ち兼ねのファンも多いだろう。

今回、ACCaで初の夏の展示。涼風を呼び込むような、新しいデザインも登場。「新しい柄に取り組むのは恐くもあり、楽しくもある。」と、意気込みを語っている。昨年から新たに手掛けてきた、制作の地である琵琶湖風景にも、夏の風情が漂うのも楽しみのひとつ。使いやすく飽きがこない染付の良さが、十分に味わえるはずだ。

  onoda
2014年9月

 
  ●9月6日(土)〜9月13日(土)      
 

月待つ宵にー気鋭陶作家4人展ー

     
 

粉引を中心に、落ち着いた雰囲気と、すっきりモダンな味わいとを合わせ持つ、清野学さん。
貫入などで、古びた趣きを出しながら、使い手にやさしい器を制作する、林 拓児さん。
独自の焼成「銀化天目」による深い色、シックなフォルムの器を作り出す、山下秀樹さん。
地元北海道の土や灰を用い、シンプルで偽りのない器、力強く骨太な作風の、上田隆之さん。

個性も、制作地も異なる四人の作家の出会いは、益子の遺跡広場。気鋭の作家たちが、月の出を待ちながら、自作の器を持ち寄って、静かに、時に賑やかに酒を酌み交わす。想像するだに楽しい光景ではないか。時節もよし、あなたのお気に入りの一品に出会えること受けあいである。

  otsukimi
  ●9月20日(土)〜9月27日(土)      
 

オバタクミ 銅版画

     
 

銅版画家、オバタクミさん、ACCa 2回目の展示。薄い靄に浮かぶ木や家、横切っていくのは、猫か?山羊か?何処かで見たことがあると思わせるモチーフが、見る側を追憶へと誘う。ほのかに添えられた色合いは、風景を広げ、明るさへと視線を導くようだ。

「温かかったり、涼しかったり、湿気たり、枯れたり。繰り返しながら進んでいく日々。無意識に降り積もった記憶の数々。過ぎ去ってしまった日々の風景を絵の中に記します。」と語る言葉通り、作品に向き合い、懐かしい風景に浸ってみてはいかがだろう。

  obata
2014年10月

 
  ●10月4日(土)〜10月11日(土)      
 

日高伸治 陶磁展

     
 

日高さんは、「使うほどに風合が変化する、使われる方に馴染んでいくことが、私の喜びだ。」と語っている。時間の経過を受け入れていく姿を思いながら作る作品には、ほっとするような優しさが漂う。

焼き締めや灰釉の気取りのない佇まい、シンプルながらいきいきした筆使いの染付。どれをとっても、上品なセンスと使いやすさが伝わってくる。作家の手元から旅立つのを待つ器たち。ぜひ長く使って頂きたいものだ。

  hidaka
  ●10月25日(土)〜11月1日(土)      
 

佐藤あゆみ 辻 有希 二人展 ー木と鉄のしごとー

     
 

札幌を拠点に制作している、佐藤あゆみさんと辻有希さん。共に札幌生まれで、大学で木工芸を学び、同じ工房で制作中だ。
佐藤あゆみさんは、木と鉄と布を組み合わせて、思いがけない空間を切り出すのが巧みだ。自然界の素材と、無機的な素材とで、生命が息づくような自由で優しい宇宙を繰り広げる。
辻有希さんは、暮らしの中の器や道具を追求する。シンプルでクリアな造型は、木という呼吸する素材とピタリとあって、爽やかだ。そこに、不思議な可愛らしさやユーモアが加わって、楽しい世界が展開している。
個性の違う二人だが、オブジェにも道具にも器にもアクセサリーにも、木々を渡る風のような清新な魅力にあふれている。

  beehive
2014年11月

 
  ●11月8日(土)〜11月15日(土)      
 

庄子葉子 染織のしごと

     
 

一日の終わりに糸を紡ぐのが日課だと、庄子さん。ラジオから流れる音楽、夕暮れ時の空の色、染料となる植物の香りなどに包まれて。そんな日常の時間の中で、作家の五感は澄んでいくらしい。「身の廻りの景色、小さなしあわせを紡いで布を織れたらいいな」という作家の思いそのままに、優しくあたたかい作品が並ぶ。

淡い色合いと柔らかな風合がハーモニーを奏ているようなマフラーやストールは、100%手紡ぎ糸で織り上げたもの。何度でも洗って使えるリネンのポーチやバッグ。日々を彩る小さなブローチやオーナメントも展示されるのも、楽しみだ。秋を迎える一品に出会えるはずだ。

  shoji
  ●11月22日(土)〜11月29日(土)      
 

加藤仁志 陶磁展

     
 

粉引や白磁を中心に、原土を使ったシンプルで温かい器を心掛けていると語る、加藤仁志さん。その作品は、柔らかさの中に、引き締まった強さを漂わせて美しく、見る側を惹きつける。

余計なものが入り込まない簡潔な造型は、実に使いやすく、既にお手元にあれば、食卓に登場する機会が多いと、ほとんどの方が実感されていることだろう。

今年で独立して10年、作家の制作姿勢はますます揺るぎないが、今回は、新しく耐火土を使った器やアクセサリーも登場する。楽しみがいっそう増えるはずだ。

  kato_7
2014年12月

 
  ●12月13日(土)〜12月20日(土)      
 

鈴木ひろみ 木版画展 ―遠ざかる空―

     
 

鈴木ひろみさんの風景は、静かだ。窓から見える空は広く、どこまでも続く。その青は夕暮れの茜を含んでいるようでもあり、白い雲を浮かべた昼間の青空のようにも思える。幾つかの時間が、重なりあっているのだろうか。彩度を抑えた微妙で淡い色合いと、刷り込まれた版木の木目も相まって、独自で印象的な世界が展開する。

「移り変わるもの、月日が流れて忘れられていくもの、そしてどこか不変で懐かしく感じられるもの。そんなものたちを愛しく思い、版画にしていきます。」と、作家は言う。いつの間にか忘れていた懐かしく美しい風景を思い出させてくれる、そんな作品に出会えるかもしれない。

  suzuki
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