漆山みさき 個展(ガラス) ―時のカケラを紡ぐ―
尾形さんのボトルの作品に出会うといつの間にか身をかがめ中の景色に引き込まれている自分に気付く。クリアなボトルの中には針金やメタルでできているイスやベッドがずっと昔からそこに置かれているかのように無口にたたずむ。かと思うとブルーのボトルの中の時計の針は今にも動き出しそうだし、カレンダーは「早くめくって」と叫んでいる。グリーンのボトルには読みかけの英字新聞。記事はいつのものだろう。 このシリーズに限らず一連の作品のテーマを尾形さんはこう表現する。
ガラスの中に/凍りついたような一瞬を閉じ込めたい/現実には/時は流れ、物事は変化していく/だからこそ/ 時を止めたようなガラスの中の空間に/永遠を探し求めている